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京都という街のブランドを考える(地域ブランディング)

2022.2.12 #ブランディング

私は学生時代を京都で過ごしました。

NHKの朝ドラが今、京都を舞台にしているのですが、

その中で、何度か以前住んでいた場所近くでロケがされていて、
懐かしいなぁ…なんて観ていたのですが、

 

「あ、そういえば京都って、街がブランドだなぁ」とふと思いました。

 

ブランドって、商品や企業だけがブランドとなるのではなく、

様々な種類があり、地域もブランドの1つとなるのです。

 

 

なぜ京都はブランドになったのか?

主に京都市となるのかもしれませんが、

なぜ京都はブランドと認識されているのかを考えてみたいと思います。

 

ブランドになるということは、

「頭の中で、他にはない価値」を感じているからになります。

その「価値」はどうやって生まれたのだろう…と考えてみます。

 

京都の歴史・文化

まず、京都の歴史・文化です。

 

その昔、京都に都がありました。

平安時代にはたくさんのお寺が建築されました。

室町時代になると文化面が開花します。金閣寺や銀閣寺が建築されたのもこの頃。

都が江戸に移るまで京都の文化は栄えるわけです。

おそらく、ブランドの基盤はこの辺にありそうです。

 

京都の神事・行事

そして京都の神事・行事です。

 

京都には3大祭りがあります。「葵祭」「祇園祭」「時代祭」。

そしてもう一つお祭りでは無いですけど、「五山の送り火」があります。

私は葵地区に住んでいましたので、葵祭りの時期になると

厳かではありましたが、心が引き締まる感じ(うまく表現できませんが…)だったことを思い出します。

 

あと、祇園祭は山鉾巡業が有名ではありますが、

お祭りは1ヵ月行われていまして、その間様々な神事等が行われるんですよね。

山鉾巡業より、その他が祇園祭はすごいんだよ! と当時聞いたことがありました。

 

これらは今もずっと伝統として引き継がれている神事・行事なのです。

これも京都ならでは、と感じることができる要素です。

 

京都の自然

もう一つ、京都と言えば自然です。

 

山と川。特に鴨川ですよね。

鴨川(賀茂川)は映画・ドラマに頻繁に使われるロケ地です。

 

今のNHKの朝ドラのロケ地も賀茂川でした。とにかく絵になるのです。

私は京都で好きな場所を3つ挙げるならば、

今の朝ドラのロケ地になっている北区の賀茂川近辺をあげると思います。

学生時代、お弁当を持ってあの場所で食べた記憶もあったり…。本当に良いところです。

 

京都人のシビックプライド

話は戻りまして、

これらの歴史、伝統、行事、自然が礎になって、

京都の人々の心の奥に、いわゆる「シビックプライド」が醸成されたのだと思います。

京都人であることに誇りを持っているというふうに。

 

私は学生時代、

今では珍しい(当時も珍しかったのですが…)一軒家の1室を間借りする下宿をしていました。

 

おじいさんとおばあさん、そして私との3人で暮らしていたんです。

おじいさんおばあさんは、まさにシビックプライドの塊のような、ザ・京都人でした。

もっといろんな京都の話聞いておけばよかったなぁなんて今更思ったりもしますが…。

 

ブランドの維持・向上

京都がすごいのは、ここからだと思っていまして、

私が初めて京都に行った際にびっくりした事は、

ズバリお店の屋外看板です。

 

𠮷野家が!マクドナルドが!、私の知っている看板と違う!

それは看板に使われている「色」が全く違うのです。

 

ロゴの色まで変わっているのです。

ロゴの色を変えるなんて普通の企業では考えられないんですが、

京都と言う街はそれを実行できてしまう街なのです。

 

これは景観条例の1つになります。

あと建物の高さ制限などもあり、

京都の街の景観を守るために様々な規制があります。

 

これこそがブランドの維持・向上につながる活動なわけです。

(住まれている方は大変なことが多いとは思いますが…)

 

好循環を生むブランド力

ブランディングは、

まず「インナーブランディング」が大切で、

内向きにブランドを浸透させることから行っていくのですが、

京都にとってインナーブランディングを行う相手は、京都に住む人々なわけです。

 

「シビックプライド」の醸成からも、十分に浸透していると感じます。

 

その後に行う「アウターブランディング」については、

景観条例にしてもそうですし、それに加え「京都」としての情報発信がとてもうまいため、こちらも機能しています。

 

ここに書いてある以外にも、ブランドの要素が無数にありますけど、

ブランドが出来上がっていることで、

そこに新しく人が集まり、京都という価値に合うお店が生まれ、

また新しい人が集まるという「好循環」を生むわけです。

 

こうやってたくさんの人の心の中に、
どんどん他にはない「価値」が出来上がっていき、
ブランドとして認識し続けられるのだと思います。

 

 

今回は、京都と言う街のブランドを見てみました。

 

今はコロナ禍でまだまだ行動制限されますけど、

京都へ実際に行くことは、肌でブランドを感じることができますので、貴重な体験になると思います。

 

ただし、京都の市バスと京都の夏は要注意。

ここは目をつぶるしかありませんので、あしからず…。

 

 

 

編集後記

 

地域ブランディングはこれから特に必要になってくると思う。

少子高齢化の今、自治体はどこも大変になる。

私の住む街も一部過疎地域に。

これからは、街自体がどう生き残っていくのか…のような考え方を、
街に住む人、ひとり一人が持って動いていくしかないのかな、と…。

顔写真

株式会社イットデザイン
伊藤 亜希

グラフィック・ウェブデザイナー
ブランディングデザイナー

デザイナー歴24年目。
大阪から兵庫へUターン就職→起業。
主な受賞歴に、日本タイポグラフィ年鑑入選など。

【営業時間】平日9:30〜18:00
【休業日】土日祝 年末年始、旧盆期間
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